育休先生。

「イクメン」という言葉がなくなる日を目指して。

<青森・中1自殺>学校がいじめアンケートを破棄していた件。

 昨年8月に青森県東北町立中1年の男子生徒が自殺した問題で、中学校が自殺の3ヶ月前に行ったいじめに関するアンケートの回答を破棄していたことが分かったそうです。でも、実はボクの勤務校でもアンケートの扱い方は同様でした。

 

<目次>

 

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この問題の概要

 ボク自身は、11月30日朝の毎日新聞のネットニュースで知りました。

 記事を抜粋して概要をザッと整理すると、以下のようになります。 

・生徒は、2016年8月に、いじめ被害を訴えるメモを残して自殺

・中学校は、その3ヶ月前の2016年5月に、いじめアンケートを実施

 → 今回の事件の調査前に破棄

  「いじめを訴えた生徒はいなかった」「破棄した時期も分からない」

文科省の基本方針では「いじめの問題などに関する指導記録の保存」を教委や学校に要望

 →ただ、具体的な保存期間は定めていなかった

・学校側も、文書の管理方法や期限は決めていなかった

・町教委「アンケートは公文書に当たらないと判断し、管理を学校に任せていた」

・生徒の母親「憤りを感じる。隠さないといけないものだったのではないかと疑ってしまう」

 

一言書きたくなったキッカケ

 この記事がYahoo!ニュースに載っていたので、なんとなくコメントを見ると、

          「証拠隠滅だな」「これは隠蔽」「学校の闇を感じる」

などの批判的な内容がほとんどでした。

 

 おそらく、ボクも自分自身が教師でなければ同じように感じたと思いますし、教師になった今でも、学校や教委がいじめを認めようとしないニュースを見聞きする度に腹立たしさを感じています。

 

 ただ、その一方で、今回の一件を他人事として受け止めることはできませんでした。

 

 何を隠そう、ボクの勤務校でも同様の『いじめアンケート』を実施しており、やはり保存が義務付けられていなかったからです。

 

勤務校でのアンケートの扱い

 勤務校でも学期に1回アンケートを行っていて、記名・無記名は自由ですが、どちらにしろ内容が児童らに開示されることはないという約束です。

 

 ボクは自分のクラスでは、「記名でも無記名でも構いませんが、もし『嫌がらせを受けている』あるいは『そのような場面を見た』など訴えたいことがある場合は、記名してくれると有り難いです。助けてあげたいと思っても、無記名ではせっかくの情報を活かせないかもしれないからです。」と伝えていました。

 

 アンケートは、各担任が学級の分には目を通し、気になる回答をしている児童が判明している場合は個別にアプローチをする形となっていました。

 ボクは、「いじめたことがある」「いじめられたことがある」「いじめを見たことがある」のいずれかの項目に「はい」と答えた(記名している)児童をチェックし、一人一人タイミングを見計らって話を聞いていました。

 

 しかし、管理職に報告しないといけないのはアンケートの結果のみ(具体的には項目ごとの「はい」「いいえ」等の回答数)で、原本は特に保存しておく必要はないと言われていました。

 ボクは、すぐに破棄してしまうことになんとなく不安を感じたので保管し、その年度の授業が終わった後の春休みに破棄していました。もちろん、その年度内に大きな問題が起こらず、あるいは起こっても一応は解決ができており、年度終了時点ではアンケートを見返す必要がないことが前提です。

 

もし自殺事案が起きていたら

 自分自身もアンケートをそのように扱っていたため、今回の一件を知ってすごく不安になりました。

 子どもの世界の『いじめ』というのは、往々にして大人からは見えないところで起こりがちです。もし、ボクも自分のクラスで起こっていた『いじめ』に気付かず、春休みにアンケートを破棄し、翌年度にその『いじめ』が原因で子どもが自殺してしまったとしたら…。

 今回の一件と同じように、「いじめを隠蔽するためにアンケートを破棄した教師」だと見なされることになるでしょう。

 そう思わされたニュースでした。

 

おことわり

 今回の一件について、上辺しか知らない第三者ゆえ、学校や町教委を擁護するつもりはありません。自殺した生徒の母親からすると学校や町教委に対して不信感を抱く理由もあるようですし、一般的に学校現場では不祥事に対して真摯に向き合わないケースも多いと感じます。

 ただ、翻って自分のこれまでを見返したときに、他意なく「アンケートを破棄」してしまう可能性もある、その怖さを感じた一件でした。

 

 なお、文科省は今年3月にガイドラインを定め、いじめに関する文書の保存期間を少なくとも5年と明示したようです。自分自身もいじめに関する文書の重要性を再認識し、取り扱いにはいっそう注意していきたいです。

 

 最後になりますが、亡くなられたお子様のご冥福をお祈りするとともに、一刻も早く真相が究明されることを願っています。