育休先生。

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たびたび話題になる、学校給食の『完食指導』。徹底すべき?

 給食と言えば、たびたび話題になるのが『完食指導』の是非。クラスにおける給食のルール設定は、おそらく多くの教員が頭を悩ませるところだと思います。皆さんは、どう思いますか?

 

 <目次>

 

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教師1年目。隣のクラスはいつも

 ボクが『完食指導』について考えるキッカケとなったのは、1年目4年生の担任をしていたときに給食調理員さんから言われた次の言葉です。

 

 「いつも残飯が多いんやけど、もうちょっと食べさせられへん?隣のクラスにどうやってるか、教えてもらい!

 

 転職して念願の教師になったわけですが、給食指導の仕方なんて誰も教えてはくれません。

 ボクはなんとなく「誰でも好き嫌いはあるもんやし、無理に食べさせてもしゃあないやろ。」と思い、『減らす』のは自由にしていました(『残す』ではなく、最初に『減らす』です)

 

 ですが、そのとき初めて他の学級の給食指導が気になったボクは、隣のクラスを観察してみました。

 隣のクラスの主任は当時、教員10年目ほどの中堅の女性で、のような人でした。

 当然、『減らす』のもナシ。子ども達はその先生の怖さのあまり、頑張って食べているようでした。

 

 そのときに、ボクが陥ったジレンマ。それは、「無理に食べさせられる給食って、楽しいか?」という気持ちと、しかし一方で、調理員さんは「完食できるクラス=よく指導されているクラス」という認識を持っているという事実でした。

 

それからの指導の変遷 

 次の年。確か5年生のクラスでは、

  1. 苦手なものは、手をつける前に減らす
  2. どんなに苦手でも、必ず一口は食べる(その食材の栄養がゼロになるのは良くないかな、と思い)
  3. でも、吐いたことがある、または吐きそうになるほど嫌いなものは食べなくて良い
  4. ただし、減らした日は他のおかずをおかわりできない

というルールにしました。

 しかし、初年度と比べて見違えるような効果があったわけではなかったように記憶しています。

 

 さらに、次の年。3年生のクラスでは、特に前年度のルールで不具合も感じなかったので、そのまま運用することにしました。

 ただし、前年度と大きく異なったのは、「ほぼ毎日完食」だったことです。

 

 そして、昨年度。担任をしていた6年生は「抑圧されることに対して過剰に反発する学年」でした。

 そこで、押さえ込み過ぎない指導を意識していたボクは、上の4をなくしました。

  1. 苦手なものは、手をつける前に減らす
  2. どんなに苦手でも、必ず一口は食べる
  3. でも、吐いたことがある、または吐きそうになるほど嫌いなものは食べなくて良い

 結果としては、このクラスも「ほぼ毎日完食」 でした。

 

今更ながら分析してみると

 特に3年生6年生について、自分なりに分析してみました。

 

 3年生は、まだ89。おかわりしたい子は苦手なものがあっても、「減らしたらおかわりできへんしな〜…。」と言いながら、4のルールがあることで逆に頑張って食べていました。

 

 一方で自由な6年生は、「減らして良いおかわりもできる」という都合の良いルールが肌に合ったようでした。また、30人もいれば、苦手な子が減らした分を喜んでおかわりするヒーローもいました。

 

 サンプル数は少ないですが、個人的にはこれらの結果から「その時々のクラスに合わせて無理のないルール設定をすることが大切」だと感じました。

 

1つ欠かせないのは…?

 ボクの中で1つ欠かせないのが、「余っているときは子ども達の机を回って配り歩くこと」です。

 なかなか前で「誰か食べる人おるか〜?」「まだ余ってんねんけど〜?」なんて呼びかけても、引っ込み思案な子や思春期真っ盛りの女子なんかは言い出しにくかったりするようです。

 加えて、大穴が「一口なら…。」という子(笑)。塵も積もれば何とやらで、こまめに配り歩くと意外とすぐなくなるものです。

 

『完食指導』に対して思うこと

 『完食指導』に対してずっと思っているのが、「自分が決めた量ではないのに、完食しないといけないのか」ということです。

 給食は毎食、調理員さんが摂取すべき栄養素やカロリーを考えて作ってくれています。『毎日完食』が理想なのは、言うまでもないでしょう。

 

 ただ、これがビュッフェ方式で、「自分が取った分は全部食べましょう」なら分かります。でも、日本では多くの場合、給食係が一斉に全員分の配膳をします。

 

 食べる量は、人それぞれ。

 「そんなに細いのに、どこに入ってるん!?」と思うほど食べる子もいれば、普段から食の細い子もいます。いつも以上にお腹が空いている日もあれば、体調の悪い日もあります。

 それに、大人だって好き嫌いはあるハズ。大人ができていないことを、子どもに強制しても…ねぇ。

 

実はボクも、固形チーズが 

 ボクにも、給食に出る食材の中で、どうしても食べられないもの1つだけあります。

 

 それは、固形チーズです。

 

 あえて “固形” と付けたからには、そうです。ピザやグラタンなどの溶けているチーズはむしろ大好きなんです。

 

 でも、固形チーズは一口食べると吐きそうになります。だから、いつも子ども達にはこう伝えます。

 

 「先生は、固形チーズだけはどうしても食べられません。申し訳ないけど、それだけは残します。だから君達にも、吐いたことがあるものや吐きそうになるほど嫌いなものは無理して食べさせないので、言いに来なさい。もちろん、君達のおうちの人が働いたお金を使って、給食調理員さんが栄養を考えて毎日朝から作ってくれてるんやから、できる限り全部食べるのが望ましい。でも、吐きそうになりながら食べても…楽しくないよな。先生が一番嬉しいのは、みんなが友達とおしゃべりしながら楽しく食べてくれることです。

 

 給食指導は、教師によって本当に差があります。ボクのやり方にも必ず、賛否両論があるでしょう。

 正解はありません。でも、自分の決めたルールに、理屈と信念は持っているべきです。

 

 教師の方でも他職の方でも、構いません。もしこの記事を見てくださっている方がいたら、ぜひ色々な意見を聞いてみたいです☆