育休先生。

「イクメン」という言葉がなくなる日を目指して。

小学生の夏休み短縮に賛成?反対?皆さんはどう思われますか。

本日の主張

夏休みを短縮しなくても良いように、指導要領の内容を減らしてください。

 

<目次>

 

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考えるキッカケとなった2つの投稿記事

 7月3日の朝日新聞に、賛成・反対それぞれの立場からの投稿記事が載っているのを読んで、ふと考え込んでしまいました。まずは、それらをご紹介します。

 

◯親の負担減にもなる(40代女性、賛成)

 静岡県吉田町が、来年度から小中学校の夏休みを最短で10日間に短縮する方針とのこと。私は良いことだと思いました。

 仕事がある私は、子ども達が小学生のとき、夏休みは大きな負担でした。親の協力が必要な図画工作、家庭科の料理、自由研究などの大物の宿題に追われ、更に思い出を作らねばというプレッシャー。子どもが家でゲームを長時間するのも気になります。普段出来ない課題に親子で楽しく取り組みたいのですが、大人は通常の仕事と家事をこなさなくてはなりません。

 吉田町のように夏休みを短縮し、大物の宿題はじっくりできるよう一つにしては。もちろんスポーツクラブの夏休み合宿などがある子ども達には配慮が必要でしょう。母も外で働く時代、小学校の夏休みを見直す時ではないですか。

 

◯教師も子どもも気の毒(60代男性、反対)

 夏休み短縮は嘆かわしい。夏は暑いから休むのである。教室に冷房を入れても通学や体育授業、栽培活動、行事準備、集会などで炎天下に身をさらさざるを得ない子どもと教職員が気の毒だ。

 また近隣市町村と歩調が合わないと、部活動の地区大会や練習試合など日程に不都合が生じる。やるなら大きな地区全体でしなくてはならない。夏ならではの自然体験などが出来なくなる損失も大きい。

 何より教師の負担が増えて逆効果となろう。学校現場の負担過重のすさまじさは、毎日1時間ほど授業が減っても焼け石に水。出勤日が増えた分だけ負担が増えるのは、土曜授業で経験済みである。

 この決定に、子どもと教職員の納得と同意が保障されるべきである。役所や議会は当事者を招き、共に再論する方が良い。

 

夏休みはなぜあるの?

 これは、単純に「夏は暑いから」です。ちょっとバカみたいな答えですが。そこだけを考えると、例えばボクが勤務する大阪市では、全小学校へのエアコンの取り付けが昨年度に完了しましたので、夏休みが短縮されるのは仕方ないのかもしれません。

 

夏休みの宿題って、多くない?

 夏休みの宿題と言えば、自由研究読書感想文を思い浮かべませんか?もしかすると、「もう二度としたくない!」という人も多いかもしれません。

 ですが、宿題の分量は教員の裁量次第です。と言っても、日頃の宿題は学級単位で担任が自由に決められますが、長期休業の場合は学年として保護者に手紙を出したり子ども達に課題を出したりするので、学年間の合意の上で決められることが多いでしょう。

 よって、宿題の分量自体は夏休みの長さに関係なく、減らすことが十分に可能です。

 ちなみに、ボク自身は「夏休みは思いっきり遊ばんかい!」というタイプなので、(同学年の他の教員によりますが)夏休みの宿題は極力減らします。個人的にはそれが課業中とのメリハリだと思っています。

 

夏休み中の学校でも賑わう場所って?

 こちらは自治体によって変わってくると思いますが、大阪市では『いきいき』という事業があります。課業中の放課後に加えて、長期休業中の830分〜18まで、学校内で子どもを預かってくれます。無料(年何日間利用しても無料ですが、安全管理にかかる経費として年額500円がかかります)です!!これは助かりますよね。

 学校によっても違いますが、一室が『いきいき』用に割り当てられています。そして、夏休み中は比較的暑さのマシな午前中や夕方に、運動場に出てみんなで遊んでいます。1〜6年生までが利用できますが、高学年になると留守番やお出かけができるので、下の学年になるほど利用する児童は多いです。

www.city.osaka.lg.jp

 

一教師としての思い

 個人的な思いですが、本音を書きます。休みたい、そして子ども達を休ませてあげたいです。

 

 まず、「休みたい」についてです。この職に就いてからというもの、一日の短さを感じない日はありません。毎日が、まさに嵐のように過ぎていきます。そんな中、各学期が進んでいくにつれて、「あと◯日で夏休み冬休み・春休み)や…。」というのが心の支えになっていきます。

 もちろん、子ども達のことは大切です。また、世の中には仕事に忙殺されている人がたくさんいるのも知っています。教師が一番忙しいなんて言う気は毛頭ありません。だから、「もっと忙しい仕事もあるわ!」とも言わないでください。ただただ個人的に、今の働き方でもし長期休業がなかったら、とてもやっていける気はしません。

 また、長期休業中は研修を受けたり外部のセミナーに参加したり、大きな行事の準備をしたり旅行先の遺産や名産品を教材に利用したりと、『明日』に追われ続けている課業中にはできないことをするチャンスでもあります。

 

 そして、子ども達に「休ませてあげたい」についてです。実際に自分が教師になるまでは思いもしませんでしたが、日々担任として子ども達と接していると、「この子達ってたかだか10歳ぐらいで、勉強をして、当番活動をして、係活動をして、委員会活動をして、急かされて、ときには怒られて習い事に行って、宿題もして、よく毎日頑張ってるよなぁ…。」と思います。本当に思います。

 だから個人的には、長期休業中ぐらいたっぷり休ませてあげたいです。中高生であれば、「意義のある毎日を過ごしなさい!」とでも言いたくなるかもしれませんが、自分が小学生のときにそんなことは考えませんでした。毎日遊んでいても良いし、ダラダラ、ボーッとでも良いと思います。そうしてリフレッシュして、また次の学期・学年に臨んでくれればそれがなによりです。

 

 教員という仕事の良いところの一つに、「オンシーズンオフシーズンがハッキリ分かれていてメリハリがあること」が挙げられます。以前勤めていた民間企業では違いました。例えば9月30日(火)に上期が終わったら、翌日10月1日(水)からはもう下期です。でも、小学校では「頑張ったら休み」というサイクルなのが非常に有り難いです。

 

そもそも、指導する事項が多すぎる!!

 結局、夏休みを短縮しないといけない理由を突き詰めていくと、「そうでもしなければ時間的にカバーできないほど、子どもへの指導事項が膨大だから」という一言に尽きます。

 現在の「学習指導要領」で定められた各教科の指導事項を教えるのでさえ、現場のスケジュールはパンパンです。指導事項が詰め込まれすぎて、全てを教えようと思うと上辺をサラッと撫でるようなやり方になってしまいます。実際は、「これは大事やけど、これはそうでもないな…。」と教師裁量で軽重を判断し、上手に時間との折り合いをつけていくことになります。

 これに加えて、2020年度からは外国語活動が増えて?道徳が教科化されて?プログラミング教育も必修になる!?もう…無理!!

 

 勉強することの楽しさは上辺ではなく、もっと深いところにあるハズです。是非、「学習指導要領」の分量についての再考を願います。