育休先生。

「イクメン」という言葉がなくなる日を目指して。

我慢できないシリーズ その2 「『平仮名』、やめませんか?」

本日の主張

現場の先生方。子どもが習っていない漢字を平仮名で書くのは、やめませんか?

 

<目次>

 

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皆さんは、こんな経験はありませんか?

 ボクが小学校に勤め始めてから抵抗を感じたモノの一つに、「当該学年で習っていない漢字は書かない、書かせない」という不思議なルールがあります。これは、完全に教員の裁量によるものですが、個人的な感覚では多数派だと思います。

 

 例えば、「」と書いて「ゆう」と読む女の子がいるとします。「」は6年生で、「」は2年生で習う漢字です。ということは、この女の子は「」を習ってから「」を習うまで、自分の名前を「ゆ羽」と書くことになります。

 

 …ん?そもそも「」が「」で、「」が「」なの?

 

なぜ、こんなことが起こるの?

 日本には、文部科学省が作成する「学習指導要領」というものが存在します。小学校では、それに即して教育を行うわけですが、その中に「別表 学年別漢字配当表別表 学年別漢字配当表:文部科学省」というものがあります。そこに、各学年で学習する漢字が示されており、おそらく多くの教員はそれを過度に遵守しようと過ぎているのだと思います。

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文部科学省」HPから一部抜粋

 

どこにも書いていませんよ

 文部科学省のホームページに、「漢字の指導に関する学習指導要領上の取り扱いについて」というものがあります。そこには、以下のように書いてあります。

第3 指導計画の作成と内容の取扱い

(ア) 学年ごとに配当されている漢字は,児童の学習負担に配慮しつつ,必要に応じて,当該学年以前の学年又は当該学年以降の学年において指導することもできること。
(イ) 当該学年より後の学年に配当されている漢字及びそれ以外の漢字については,振り仮名を付けるなど,児童の学習負担に配慮しつつ提示することができること。

 「当該学年以降に配当されている漢字は教えてはならない」なんて、どこにも書いていません。 

 

ボクが工夫していること

 例えば板書をする際、「」を5年生で習う前の子どもに対して、「『む』はまだ習ってないね〜。」と言って「む中」と書くのではなく、

まだ習ってないけど、漢字では『夢中』って書くんやで。『夢』っていう漢字、見たことある?

と聞くと、必ずと言っていいほど誰かが、

ある!『ゆめ』っていう字や!!

と言ってくれるので、

そうそう、夢を見ているときみたいに一つのことに心を奪われる状態という意味で、『夢中』と書くんやね。

と教えてあげます。

 

 また、同じく板書の際によく使うのが、「漢字ではこう書くから、書きたい人は漢字で書き〜。」という言い方です。

 そうすると、自分の学力に自信がない、あるいは意欲の低い子どもは、自分で「じゃあ、俺は平仮名でええわ。」と判断して平仮名で書きます。反対に、知的好奇心や向上心の高い子は、「よし、じゃあ漢字で書いたろ。」と言って漢字で書きます。

 子ども自身の学力や意欲に合わせて、選択させれば良いと考えています。

 

 学級だよりでは、大人でも読むのが難しいような字でなければ、全て漢字で書きます。その代わり、発行時点で習っていない漢字には読み仮名を付けます。

 どんなに難しい字でも、読み仮名があれば必ず読めます。 

 

漢字に対する人一倍の思い

 子ども達は一人一人、発達の早さが違います。だから間違っても、漢字を覚えるのが苦手な子に、当該学年に配当されていない漢字まで覚えさせようとすることはありません。

 しかし一方で、能力のある子に対して、教師の自己判断で可能性を狭めたくないと思っています。子どもの吸収力は本当にすごいので、教師側が加減せずに与えていけば、覚えの早い子はどんどん読み書きできる漢字が増えていきます。

 大切なのは、「別表 学年別漢字配当表」を基準とした上で、できる限り「子ども達一人一人に合わせたレベルの学習を提供できる幅を持つこと」ではないかと思います。