育休先生。

「イクメン」という言葉がなくなる日を目指して。

『非正規教員』は誰でも担任ができて、安月給!?

 6月5日の朝日新聞に『非正規教員』についての記事が載っていたのですが、ボクが4月の記事に書いた『講師』は、大阪市の詳細な区分では『常勤講師』に当たります。両者はイコールではありません

 

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朝日新聞の記事にはどう書いてあった?

 まず、記事の大見出しは、「非正規教員 担任も部活も」。

 そして、小見出しが「時給千円ボーナスなし」。

 これだと読んだ方に、「学校現場では全ての『非正規教員』が正規教員と同じように働き、それでいて時給制の極めて低賃金で働かされているらしい!」と思われるかもしれません。

 

 少し、記事の中身も見てみましょう。今回触れるのは一部分の抜粋なのですが、下の二つの事例は、いわゆる『非正規教員』の全てではありません。今回はその辺りを、細かくお話ししていきます。

  • 九州の小学校で担任をしている40代の女性は、月給制だが手取りの年収は270万円弱
  • 岩手県内で自ら授業は持たない30代の女性は、時給1000円で2つの中学校を掛け持ち

 

「非正規教員 ≠ 常勤講師」 を詳しく解説

 ボクは下の2つの記事で、『講師』について書きました。

ikukyusensei.hatenablog.com
ikukyusensei.hatenablog.com

 

 これは、冒頭にも書いたように『常勤講師』のことです。『非正規教員』と『常勤講師』の関係を最も簡単に言うと、非正規教員』という区分の中に『常勤講師』があります

 

 それでは、『講師』の中の細かい区分について解説します。各自治体によっても異なりますので、ここではボク自身が現在所属している大阪市に限って書きます。

 

◯『講師』は大きく分けて3種類あり、『常勤講師』はさらに4つに分類される

◯どの職種でも、勤務期間は最長1年間(次年度以降も、新たな契約として勤務を続けることは可能)

 (1)常勤講師

    ・勤務時間…週あたり38時間45分

    ・給与…月額236,400円(4大新卒・小中学校勤務の場合)

    ・業務…担任または習熟度別少人数授業

 

   ①産休補助臨時講師

    産休に入る正規教員の代わり

   ②育児休業臨時講師

    育児休業に入る正規教員の代わり

   ③臨時講師

    病休などの正規教員の代わり

   ④期限付講師

    教員数調整枠としての勤務

   (学年ごとの学級数は児童数によって変わるため、学校に正規教員しかいないと調整しづらい。

    例:81人=27人×3学級⇒1人転出で80人=40人×2学級。担任を一人減らす必要が生じる。)

 

 (2)非常勤講師

    ・勤務時間…担当する授業の時間数に応じて

    ・給与…授業1時間につき2,860円

    ・業務…担任は持たず、授業を担当

 

 (3)非常勤嘱託員

    ・勤務時間…週あたり29時間

    ・給与…月額218,400円

    ・業務…習熟度別少人数授業

 

ここまでを、分かりやすく言うと

 (1)常勤講師

  • 月給制で正規教員と同じように勤務し、担任も持てる
  • ①②③は、元々の正規教員が戻ってくるまでの間なので、期間としては中途半端になる可能性がある(「8月まで」「3学期だけ」など
  • ④は、年度途中に転出等によって学級数が減らない限り、年度を通して勤務できる可能性が高い

 

 (2)非常勤講師

  • 時給制で、担任は持てない 

 

 (3)非常勤嘱託員

  • 月給制だが担任は持たず、勤務時間が常勤講師より短い

 

 上記の内容よりも詳しい説明については、こちらをご覧ください↓↓↓ 

www.city.osaka.lg.jp

 

一言に『非正規教員』と言っても、様々な職種がある

 今一度「まとめ」として、朝日新聞の記事の見出しと上記の内容を照らし合わせると、下のように言うことができます。

◯大見出しの『非正規教員 担任も部活も

 →『非正規教員』の中の『常勤講師』に限って言えば、マル。

  ただし、年収270万円はボーナスがないなど、極めて低い水準。

小見出しの『時給千円ボーナスなし

 →『非正規教員』の中でも時給制なのは『非常勤講師』だけ。

  ただし、時給「千円」は大阪市と比較すると、極めて低い水準。

 

 いかがでしたか。『非正規教員』とは、必ずしも「正規教員と同じように働き、それでいて時給制の極めて低賃金で働かされている教員」を指すわけではないことが、お分かり頂ければ幸いです。

 その上で、今回の2つの事例に関しては、業務内容に比して対価があまりにも低いという大きな問題があることを見逃してはいけません。労働内容に見合った処遇がなされることを切に願います。